6年ぶりにソウルに来た。6年前も一泊しただけだし、今回もそうだ。したがって、この街のこと、もっと言えば、韓国のことも実はよく知らない。ソウルは韓国の約5千万人の内の五分の一が集中する1千万人の人口をかかえる大都市だ。21世紀にはいって、中国の上海をはじめとした沿岸部のいくつかの都市が目まぐるしい超近代化に突入する前は、間違いなくアジアでは東京に次ぐ近代都市であったに違いない。
事実、6年ぶりにみるソウルも東京に負けじと超高層ビルがいくつも立ち並び、増殖したようだ。ソウルの真ん中を東西に突き抜ける大河「漢江(ハンガン)」に沿って走る片側四車線の道路からみる夜景は見事なばかりの輝きを発していた。
当然ながら、車の洪水で、昨日の郊外からの帰りの車も渋滞で参ったのだが、走っている車は99.99%が韓国車だ。昔ほど品質も悪くなさそうなで、それはそれで構わないのだけれど、世界中どこへ行っても日本車にお目にかかる時代に、この大都会では一台の日本車にもお目にかかれない。よほど、徹底したお国柄なのだろう。人口は東京と同じだが、狭い東京よりももっと狭くて、人口密度は約三倍だという。土地や、マンションも値が張るらしい。それでも、ソウルにいると何でも手に入るし、楽しみもあるとのことだが、日本と違って、地方の都市へ行っても何もないということらしい。
日本でも韓流ブームが起こり、韓国でも日本の文化の持込が緩和され、次第に変化が起きているとはいえ、この国は、これからどういう独自性を発揮していくのだろうかと思う。次々と新興国に追い抜かれ、目の上のたんこぶである日本を追い抜くと言うこともどうやら難しそうだ。
つい最近燃えてしまった「南大門」の前に行ってみると、高い壁ですでに焼け跡は覆われており、さらに高いクレーンが二基、その中でその首をもたげていた。本当に韓国の人たちには気の毒な事件だったと思う。この国の人は、長い歴史の中で、物を言わないしんぼうを続けてきたのではないだろうか。
北朝鮮拉致だって、日本人の被害者の数なんて話にならないくらいいるし、このところ続いている中国製の農薬入りの冷凍食品事件だって、どうやら韓国の方が酷いらしいのだ。文句を言わずじっとこらえる国民性、その分、きっとプライドも強く、国に対するアイデンティティーだって日本人よりはるかに強いだろう。そんな、韓国人の愛した「南大門」が紛失した。悲しみは大きいに違いない。
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