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2008年4月15日 (火)

天福寺

内視鏡の検査は10時からということにしたので、その前の時間で父と母の墓参りへ。

5年前、よほど仲が良かったのか、母が1月15日に亡くなると、父は追いかけるように二カ月後の3月16日に逝ってしまった。墓は熊本市の北部の山の中の、天福寺というところにある。実家から近いとはいえ、よくもまあこんな寺に墓を選んだものだと思うくらいの場所にある。父が、「おい、俺たち夫婦の墓はどうしたらいいだろう。」と生前に聞いてきたことがある。「東京でお前たちと一緒に暮らせないか。そうだとすれば熊本で墓は建てないが」と本当は言いたかったのかもしれない。僕はどこかわずらわしさの中で、はぐらかすように「自分で決めたら」と答えてしまった。その後、しばらくして天福寺に墓地を購入したと知った。「近くに住む親戚も一緒だから」と言っていた。

昨日借りたレンタカーに乗って、朝早く開いている花屋にまずは立ち寄った。「お願いします。」と声を掛けたが誰も店に出てこないので、上がりの先にある部屋を除くと店主の老女が座り込んだまま眠り込んでいた。もう一度、声を掛けると、ちょっと驚いたような、恥ずかしそうな仕草で眼を覚まし、こちらを振り向いた。「テレビを見ながら寝ちゃってね。」といいながら、出て来てくれたので、「墓参りに行くんで花を」と頼んだ。「じゃあ、もう寄せ集めておいた花が綺麗だからこれにしておいたら。」と言いながら、出来合いの花束にさりげなく別の花を添えて包んでくれた。「線香はないですか。」と、確か一年前にもサービスしてくれたことを思い出してお願いすると、「ありますよ。」と言いながら蝋燭とマッチもつけて差し出してくれた。むこうからみれば馴染みでもなかろうが、なんとなくほっとさせてくれる花屋だ。

花と線香の仕入れを済ませ、子供のころに馴染んだとおりに車を走らせて、天福寺へ。近づくと、狭く急な傾斜の坂道を挟んで竹林が迫り、小鳥が車の前を何羽も飛び交っていく。まるでのお宿のようだ。Sakura_kikyou_005

寺にたどり着き、車を降りると、鶏が放し飼いになっている。ほんとに凄い、とても都会のお寺では想像できないような光景だが、何度かここへ足を運ぶうちに、いつの間にか慣れてはきたようにも思う。桶に水を入れて、ひしゃくと箒を持って、父と母の墓の前へ近づくと、かなり枯葉が積もっていた。丁寧に掃除をした。わずか二カ月の間に、この墓に二人分の納骨をしたときのことを思い出し、やはりジーんとこみ上げてくるものがあった。本当に親孝行が出来なかった、申し訳ない・・・と思いながら、焼香。

天福寺からの帰り道、今では空き家になってしまった実家に立ち寄ってみた。かなり庭も荒れ果てていたが、懐かしさは変わらず。今にも父と母が現れそうに見えた。

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